池井戸潤の胸が高ぶる朗読本一覧

果つる底なき

≫audible 朗読者：白石兼斗

“第44回江戸川乱歩賞受賞の池井戸潤デビュー作！　「これは貸しだからな。――いまにわかる」。謎の言葉を残し、債権回収を担当していた銀行の同僚・坂本が死んだ。死因はアレルギー性ショック。彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった。坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊木はただひとり銀行の暗闇に立ち向かう！
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「果つる底なき」は1998年に
講談社から刊行された池井戸潤の初受賞作。

都市銀行の内幕を舞台に描いた
ミステリーです。著者自身の銀行業の
経験があったからこそ書けた小説と
評価します。この作品から「小説家・
池井戸潤」はスタートしました。

ファンであれば鑑賞すべきですよ。
（小説の）処女作って、筆者の深い思いが
意図せず潜んでいることは多々あります。
池井戸潤の人となりを知れるかも？

銀行総務特命

≫audible 朗読者：多田 啓太

“帝都銀行で唯一、行内の不祥事処理を任されている指宿修平。顧客名簿流出、現役行員のＡＶ出演疑惑、幹部の裏金づくり……スキャンダルに事欠かないメガバンクという謎だらけの伏魔殿を、醜聞を隠し通すため、指宿はひたすら奔走する。腐敗した組織が、ある罠を用意しているとも知らずに――「総務特命担当者」、指宿の運命はいかに!？　コンビを組む美貌のキャリア・唐木怜も大活躍、意外な仕掛けにうならされる傑作連作ミステリー！
引用元：講談社（Audibleページ）より”

「銀行総務特命」は、
2002年8月講談社から刊行された短編小説。

銀行内部の調査を行う部門に所属する
主人紺なので、上層部の不祥事が
気になって仕方ない。けれども
隠ぺいのために刻苦していく内容です。

三菱銀行に入行していた池井戸潤の
黒い場面をもとに描いたんでしょうね。

「銀行総務特命」から後に続く
花咲舞シリーズや半沢直樹シリーズの、
元銀行マン著者が明かす銀行の内幕の
銀行ミステリーへとつながっていきます。

仇敵

≫audible 朗読者：西山慎哉

“エリートバンカーの恋窪商太郎は、いわれなき罪を着せられ大手銀行を辞職、地方銀行の庶務行員となって静かな日々を過ごしていた――元ライバル・桜井の「話したいことがある」という電話に出るまでは。その翌朝知らされた、桜井の怪死。いったい彼は何を告げようとしていたのか。忘れたはずの過去が蘇り、恋窪はやり遂げられなかった「あの男」への復讐を誓う。「いつか必ず、思い知らせてやる」人生を一度あきらめた男の復活劇！
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「仇敵」は2003年に
実業之日本社から刊行された作品。

出世街道から外れた主人公が、元ライバルの
電話で再び運命を揺るがされ、「仇敵」への
復讐を誓うという胸熱な展開。

日本テレビ系ドラマ
「花咲舞が黙ってない」のエピソード収録作
でもあります（脚色されていますけどね）。

最終退行

≫audible 朗読者：森川直樹

“都市銀行の中でも「負け組」といわれる東京第一銀行の副支店長・蓮沼鶏二は、しめつけを図る本部と、不況に苦しむ取引先や現場行員との板挟みにあっていた。一方かつての頭取は、バブル期の放漫経営の責任もとらず、会長としてなおも私腹を肥やそうとしていた。リストラされた行員が会長を陥れるべく罠をしかけるが、蓮沼はその攻防から大がかりな不正の匂いをかぎつけ――？　現代社会の構造的欠陥を浮き彫りにする長編ミステリー！
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「最終退行」は2004年小学館から出版された
経済ミステリー長編小説。

半沢直樹の前身のような内容。
最初から思いを溜めておいて、終盤で
爆発するカウンターな展開は爽快ですよ。

不祥事

≫audible 朗読者：大森ゆき, 佐藤恵

“問題を抱える支店を回って業務改善を指導する東京第一銀行・調査役の相馬健に、念願の部下がつくことになった。しかしそこにやってきたのは、歯に衣着せぬ言動で“狂咲”と呼ばれる花咲舞だった――。事務と人間観察の名手の花咲が、様々なトラブルを解決に導き、腐った銀行を内部から叩き直す！　迷コンビの活躍を描く痛快オフィスミステリー！
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「不祥事」は
2004年実業之日本社より観光された小説。
花咲舞シリーズ第一弾でもあります。

漫画のようなエンターテインメント性を
色濃くした作風で、鑑賞していて
爽快感を味わうことになる作品でしょう。

池井戸潤の作品の中で、唯一女性が
主役で展開することも注目のポイント。

半沢直樹以外で池井戸潤作品を
初めて体験するのに
うってつけの内容と感じています。
軽めのものって楽で面白いでしょ？

半沢直樹シリーズ オレたちバブル入行組

≫半沢直樹1 オレたちバブル入行組 audible
 朗読者：吉田健太郎

≫半沢直樹2 オレたち花のバブル組 audible
 朗読者：吉田健太郎

≫半沢直樹3 ロスジェネの逆襲 audible
 朗読者：吉田健太郎

≫半沢直樹4 銀翼のイカロス audible
 朗読者：吉田健太郎

≫半沢直樹 アルルカンと道化師 audible
 朗読者：吉田健太郎

“バブル期に大手銀行に入行し、大阪西支店で融資課長となった半沢直樹。支店長命令で無理に融資の承認を取り付けたものの、会社は倒産、支店長の浅野はすべての責任を半沢に押しつけてきた。四面楚歌の半沢に残された道は債権回収しかない。半沢が取った一発逆転の方法は――!? 基本は性善説。やられたら、倍返し。大ヒットドラマ「半沢直樹」原作!!
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「半沢直樹1 オレたちバブル入行組」は
2004年文藝春秋から刊行された
半沢直樹シリーズ第一弾。
池井戸潤の名前を世に広めた出世作ですね。

刊行当初「オレたちバブル入行組」の題名が
ドラマ「半沢直樹」のヒットにより、
「半沢直樹1~」の改名に。

シリーズ最新作の
「半沢直樹 アルルカンと道化師」も
オーディオブック化されました。

「半沢直樹 アルルカンと道化師 audible
朗読者：吉田健太郎」は
「オレたちバブル入行組」の前日譚に
あたる話になっています。

TVドラマよりもバチバチな半沢直樹の
姿勢に驚かされるでしょう。

株価暴落

≫audible 朗読者：森川直樹

“破綻か。救済か。これは、銀行の威信を賭けた闘いだ！　巨大スーパー・一風堂を襲った連続爆破事件。企業テロを示唆する犯行声明に株価は暴落、一風堂の緊急巨額支援要請をめぐり、白水銀行審査部の板東洋史は企画部の二戸哲也と対立する。一方、警視庁の野猿刑事にかかってきたタレコミ電話により、犯人と目された男の父親が、過去に一風堂の強引な出店で自殺に追い込まれていたことが判明する。胸のすく金融エンタテインメント！
引用元：文藝春秋（Audibleページ）より”

「株価暴落」は
2004年文藝春秋より刊行された小説。

金融とテロを絡めた経済ミステリーとして
完成された内容です。エンタメ性の強い
作品を鑑賞したいならおすすめします。

シャイロックの子供たち

≫audible 朗読者：水橋研二

“「半沢直樹」シリーズのドラマ化で大ブレイクした著者が、「ぼくの小説の書き方を決定づけた記念碑的な一冊」と語る本作。とある銀行の支店で起きた現金紛失事件。女子行員に疑いがかかるが、別の男が失踪!?　“叩き上げ”の誇り、格差のある社内恋愛、家族への思い、上がらない成績……事件の裏に透ける行員たちの人間的葛藤。銀行という組織を通して、普通に働き、普通に暮らすことの幸福と困難さを鮮烈に描いた傑作群像劇。
引用元：文藝春秋（Audibleページ）より”

「シャイロックの子供たち」は2006年
文藝春秋から発刊の小説です。

表題の「シャイロック」は
シェークスピアの戯曲「ヴェニスの商人」に
登場する強欲な金貸しのこと。

ざらつく質感の小説、とだけ
答えておきましょう。

空飛ぶタイヤ

≫上 audible 朗読者：高川裕也

≫下 audible 朗読者：高川裕也

“走行中のトレーラーのタイヤが外れ歩行者の母子を直撃した。車両の製造元であるホープ自動車が出した結論は、「運送会社の整備不良」。納得できない運送会社社長・赤松徳郎は、真相を追及しようとする。赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況に陥るが……!? 本作映画に出演の俳優・高川裕也さんによる朗読版！
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「空飛ぶタイヤ」は
直木三十五賞候補にもなった長編小説で、
2006年実業之日本社より刊行された作品。

タイヤ脱落事故と大手自動車メーカーの
リコール隠しを題材にした経済小説です。
実在の事件を下敷きにしているため、
作風として重たい社会派な内容です。

暗さ一辺倒でなく、大組織に立ち向かう
主人公の力強さに胸打たれる、
熱い小説と感じられるでしょう。

鉄の骨

≫audible 朗読者：前田弘喜

“中堅ゼネコンの若手、富島平太が異動した先は、“談合課”と揶揄される、大口公共事業の受注部署だった。恋人の萌との関係もぎくしゃくし、悩みはつきない平太。技術力を武器に、真正面から地下鉄工事の入札に挑もうとする平太らの前に、「談合」の壁が立ちはだかる。組織に殉じるか、正義を信じるか。吉川英治文学新人賞に輝いた白熱の人間ドラマ！
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「鉄の骨」は2009年講談社から出版の、
実際の談合事件をモデルにした経済小説。

うかがい知ることのない建設業界の
良い面と悪い面がよくわかる内容で、
単純な勧善懲悪の話でないのも
本作品の魅力といえます。

談合という酸いも甘いも嚙み分ける
必要があるのかなど、何かしら
考えさせられてしまいます。
どうすりゃいいんだろ？って。

民王シリーズ

≫民王 audible 朗読者：金田明夫

≫民王 シベリアの陰謀 audible
 朗読者：前田弘喜

“「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わないのか。目をさましやがれ！」　漢字の読めない政治家、酔っぱらい大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。夢かうつつか、新手のテロか？　総理の父とドラ息子の非常事態。それぞれが見つけた真実のカケラとは!?　ドラマ化（遠藤憲一✕菅田将暉Ｗ主演）で話題を呼んだ、痛快政治エンタメ。カリヤン役の俳優・金田明夫さんによる朗読版！
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「民王」は2010年ポプラ社より刊行された、
吉川英治文学新人賞受賞後の第一作。

銀行の裏側といった金融などの経済小説を
題材にしてきた池井戸潤が、
民王で描いた舞台は「政界」

真面目な話もしつつも、
エンターテインメントに大きく
舵を切った内容となっています。
舞台は変われど池井戸節はかわりませんぞ！

下町ロケットシリーズ

≫下町ロケット audible
 朗読者：平川正三

≫下町ロケット2 ガウディ計画 audible
 朗読者：平川正三

≫下町ロケット ゴースト audible
 朗読者：谷田歩

≫下町ロケット ヤタガラス audible
 朗読者：谷田歩

“研究者の道をあきらめ、家業の町工場を継いだ佃航平は、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。創業以来のピンチに、巨大企業・帝国重工が近寄ってきた。特許を売れば、窮地を脱することができる。だがその技術には、佃の夢が詰まっていた――。男たちの矜持が激突する感動のエンターテインメント巨編。第145回直木賞受賞作。
引用元：小学館（Audibleページ）より”

「下町ロケット」は2010年、
小学館刊行のエンタメ小説。

ロケットエンジンのキーパーツである
バルブシステムの開発に賭ける
佃製作所の奮闘も終ることなく
シリーズも四弾も続いています。

下町ロケットシリーズ最新作の
「下町ロケット ヤタガラス」も
オーディオブック化されていますね。

子供心を忘れない主人公が住む
下町の中小企業の心意気を描いた、
職人の矜持を感じる痛快作ですぞ。

かばん屋の相続

≫ audible 朗読者：白石兼斗

“東京の下町にある信用金庫に勤める小倉太郎。取引先のひとつ、松田かばんの社長が急逝した。残されたのは、家業を嫌い、銀行勤めをしていた長男と、専務として会社を手伝ってきた次男の二人兄弟。しかし社長は「会社の株全てを長男に譲る」と遺言に書き残していた。父の思いはいったいどこに？　表題作ほか、「十年目のクリスマス」「セールストーク」「手形の行方」「芥のごとく」「妻の元カレ」の全６篇による人生の悲哀に満ちた短編集。
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「かばん屋の相続」は2011年に
文春文庫から刊行された短編集。

短時間で小説を楽しみたい！のなら、
一話一話で完結する短編集
「かばん屋の相続」はおすすめです。
ただし鑑賞後の爽快感は……？？？

勧善懲悪なパターンに飽きてきたら
新鮮に感じるのは保証します。

ルーズヴェルト・ゲーム

≫audible 朗読者：石丸幹二

“大手ライバル企業に攻勢をかけられ、業績不振にあえぐ青島製作所。リストラが始まり、歴史ある野球部も、存続を疑問視する声が上がる。廃部にすればコストは浮くが、この名門チームには、社員の夢が詰まっていた――。社長が、選手が、監督が、技術者が、それぞれの人生とプライドをかけて挑む、「奇跡の大逆転（ルーズヴェルト・ゲーム）」とは？　唐沢寿明さん主演で感動のドラマ化。三上役の俳優・石丸幹二さんによる朗読版です！
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「ルーズヴェルト・ゲーム」は2012年に
講談社から刊行された、
社会人野球にスポットを当てた小説。

社会人野球部の存続といった企業あるあるな
話を、熱くさせる展開はさすがのひと言。
逆転劇が好きならお勧めです（といっても
池井戸作品、たいがい逆転ものですよね）。

爽快な体験を味わいたいなら鑑賞ください。
Yahoo!検索大賞 2014 小説部門を
受賞したのも納得できるはずですから。

七つの会議

≫audible 朗読者：平川正三

“きっかけはパワハラだった。万年係長がエリート課長を社内委員会に訴える。しかし役員会が下したのは、不可解な人事。二人に何かあったのか。この会社には何が起きているのか――。夢は捨てろ。会社のために、魂を売れ。”働くこと”の意味に迫る、傑作クライム・ノベル！　野村萬斎、香川照之、及川光博、北大路欣也ほか豪華出演陣にて堂々映画化！
引用元：新潮社（Audibleページ）より”

「七つの会議」は2012年
日本経済新聞出版社から刊行の
企業クライムノベル。

刊行日は「ルーズヴェルト・ゲーム」より
「七つの会議」が先ですけど、
「ルーズヴェルト・ゲーム」が先に
連載していましたので、この順に紹介。

会社という組織の中で、だれかが消えて
だれかが生き残る姿を、各章ごとに
視点を変えて描いた風変わりな作品。

会社って何だろと考えさせられる内容です。

ようこそ、わが家へ

≫audible 朗読者：平川正三

“駅のホームで無礼な割り込み男を注意したその日から、平凡な会社員・倉田太一に対する嫌がらせが始まった。花壇は踏み荒らされ、部屋からは盗聴器まで見つかる。執拗に続くストーカーの攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、倉田一家はついに対決を決意する。一方職場でも、倉田は窮地に追い込まれ――？“日常に潜む恐怖”を描くサスペンス長編！
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「ようこそ、わが家へ」は2013年
小学館より刊行の長編小説。

不器用で、穏やかな性格の（華があるとは
いいがたいけど）主人公が、家族の長として
社会人としても問題に果敢に挑む姿を
応援したくなること必至です。

日常のミステリーって鑑賞するだけなら
いいもんですね、という感想です。

陸王

≫audible 朗読者：高川裕也

“勝利を、信じろ。埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、足袋作り百年の老舗。日々資金繰りに頭を悩ませる宮沢社長は、足袋製造の技術を生かしたランニングシューズの開発を思いつく。伝統と情熱、そして仲間との強い結びつきで、こはぜ屋は一世一代の大勝負に打って出る！　ドラマ化（TBS日曜劇場　主演：役所広司）でも話題を呼んだ、感動の物語。
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「陸王」は2016年集英社から刊行。

「王」とタイトルに付いているから
「民王」みたいなエンタメかと思いきや、
心の奥底から感動する熱血小説ですぞ。

「王」とタイトルに付いているから
「民王」みたいなエンタメかと思いきや、
心の奥底から感動する熱血小説ですぞ。

日本のお家芸の「ものづくり」で
世の中をあっと驚かせてやるという職人など
全会社、挫折しかけだったランナー達から
負けじ魂を感じとれるドラマですね。

人が人を動かす、心を動かす、
まっすぐな話を求めているならどうぞ！

なるへそ

≫audible 朗読者：平川正三

“舞台はいつも準備中の札が出ている小さな寿司屋。ここでは月に一度、四人の専門家が集い、ゲストを招いて悩みを聞くという「黒焦げ蜘蛛の会」が開かれている。そのゲストは解けない“謎”を提示するのだが、彼らがいくら頭をひねっても解決の糸口は見つかりそうにない。そこへある意外な人物が加わって――？　聞き味のよいショートミステリー！
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「なるへそ」は2015年Kindle Singlesから
電子書籍として刊行された作品。

はじめて登場したのは1999年、
文藝春秋の「オール讀物」から。
埋もれていた作品に光を当てた
Amazonの鑑識眼も凄いわ。

タイトルセンスだけは良くないな……と
思って鑑賞すると、最期には
「なるへそ」と言いたくなるショートもの。

軽く人の茶話を聴いたような感想です。

犬にきいてみろ

≫audible 朗読者：杏

“おせっかいな叔母に拝み倒され、人生初のお見合いに出かけた花咲舞。相手は町工場の二代目社長で、気の弱そうな青年だったが、「工場長の不正に気をつけろ」という手紙を受け取り、人知れず悩んでいた。相談を受けた花咲と相馬は、真相を突き止めるため動き出すが――？　大人気ドラマで花咲役を務めた女優・杏さんによる朗読でお楽しみください！
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「犬にきいてみろ」は2016年アマゾンの
Kindle Singlesから電子刊行された作品。

花咲舞シリーズの番外編という扱いか？
とはいえナレーターにドラマ「花咲舞役」の
女優杏を起用したりと、本編同様の
クオリティに取り組んだエンタメ作品です。

今までの池井戸潤オーディオブックのなかで
一番短い小説です。朗読本に不慣れなら、
最初に鑑賞しても良いと判断します。

爽快、軽快、安心の出来の
三拍子の揃った作品ですから。

アキラとあきら

≫audible 朗読者：平川正三

“零細企業の息子・山崎瑛（あきら）と大手海運会社の御曹司・階堂彬（あきら）。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出逢い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった――！　感動の青春巨編！
引用元：徳間書店（Audibleページ）より”

「アキラとあきら」は
2017年徳間書店から刊行された小説。

しかし作品自体は2006年に発表され、
テレビドラマ化を機に改稿を行ってから
8年越しで刊行された経緯のある小説。

池井戸本人も「中途半端なまま出しては、
読者に喜んでもらえない」と
書籍化は見送っていたという判断もあって
すぐに刊行化されていなかったわけです。

今までの池井戸潤作品とは違い、
1970年代前半から2000年代前半までの
約30年間の時間軸を描いたのも特徴。

歩んできた人生のベクトルの違うふたりが
時代に振り回されながらも
同じベクトルに向かって協力して歩む、
金融を下地にした友情小説です。

バブルから崩壊、失われた20年も
描いたのも興味深いと感じます。

「アキラとあきら」作品として
素晴らしいのですけど、
オーディオブックで鑑賞するのは
あまりおすすめしません。

理由は、「いまの会話してるのって、
アキラとあきらのどっちなの？」と
混乱しがちだからです。

朗読する平川正三の技術であっても
聞き分けに取り組む必要がありますから。
気軽に朗読を聞くなら
本作だけ避けておきましょう。

花咲舞が黙ってない

≫audible 朗読者：大森ゆき

“その日、東京第一銀行に激震が走った。頭取から発表されたライバル行との合併。生き残りを懸けた交渉が進む中、臨店指導グループのはねっかえり・花咲舞は、ひょんなことから「組織の秘密」というパンドラの箱を開けてしまう。隠蔽工作、行内政治、妖怪重役……このままでは我が行はダメになる！　花咲舞の正義が銀行の闇に切り込む痛快連作短編。
引用元：中央公論新社（Audibleページ）より”

「花咲舞が黙ってない」は
2017年に中公文庫から刊行された小説。

女版半沢直樹と評するにふさわしい
「花咲舞」シリーズ、13年ぶりの最新版。

朗読者は花咲舞シリーズ第一弾
「不祥事」と同じ
大森ゆきが担当。

杏じゃないと感情移入できないなんて
思わずに、大森ゆきの朗読を
耳にしてみてください。

一気に集中して鑑賞するよりも、
空いた時間に心地よい爽快感のある
話を聞きたいときにご鑑賞あれ。

ちなみに「神保町奇譚」という作品は、
「花咲舞が黙ってない」に収録されて
いるので、別作品ではありません。

ノーサイド・ゲーム

≫audible 朗読者：高川裕也

“大手自動車メーカーのエリート社員・君嶋隼人は、横浜工場の総務部長に左遷させられ、ラグビー部アストロズのゼネラルマネージャーを兼務することに。かつて強豪としてならしたチームもいまは鳴かず飛ばず、巨額の赤字を垂れ流していた。アストロズを再生せよ――。ラグビーに何の興味も知識もなかった君嶋が、お荷物チームの再建に挑む！　ラグビーという名の熱狂を、大泉洋さん主演でドラマ化。高川裕也さんによる朗読版です！
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「ノーサイド・ゲーム」は2019年に
ダイヤモンド社から刊行された小説。

社会人スポーツのラグビーを題材にした
経済小説。ラグビーのスポーツ中心に大きく
舵を切ったわけでなく、アマチュア業界の
問題提起など知ることができる展開ですね。

最初は後ろ向きな設定だったものの最後には
希望の未来へ向けてパスをつないでいく、
そんな爽快感を味わえるお話です。

日本のラグビーに興味がなくても
マネジメントを学べたりと、スポーツ以外で
吸収できる知識が手に入りますよ。

ハヤブサ消防団

≫audible 朗読者：杉山怜央

“東京から父の郷里・ハヤブサ地区に移住した売れない作家の三馬太郎。 田舎暮らしを楽しむはずが、地元の消防団入りした彼を待ち受けていたのは連続放火事件だった。 息もつかせぬ展開の、池井戸潤まさかの“田園”ミステリ!?
引用元：Audible, Inc.（Audibleページ）より”

「ハヤブサ消防団」は2022年に
集英社から刊行されたミステリー小説。

のどかな田舎を舞台に、主人公の三馬太郎が
ミステリ作家としての頭脳を活かして
問題に立ち向かっていくエンタメものです。

お得意の魑魅魍魎が跋扈するような
金融業の裏側を描くのでなく、
あえて人間味の強い地方の田舎を
舞台にしたのは作者の挑戦と感じます。

都会から田舎移住者への助言というか、
指南書の面も併せ持った作品。

舞台が銀行であっても山村であっても
池井戸作品の面白さは変わりませんよ。

日曜劇場『半沢直樹』（2013年版）

名セリフ「倍返しだ！」どころでないほど
売れ行きにも貢献した、池井戸潤作品の
代表作にして出世作ですよね。

面白さにハマったのもうなずけます。

個人的な意見として、原題通りの
『オレたちバブル入行組』のままだったら
社会現象になるほど視聴されて
いなかったのではと推測しています。

『オレたちバブル入行組』がテレビ欄に
書かれていても、原作を知らない人には
「バブルで浮かれてる話かよ」程度かも。

けれど『半沢直樹』ってタイトル、
新聞紙面から「誰よコレ？」って関心を生む
キャッチーなコピーと感じました。

面白いけどそれほど売れ行きが高くなかった
池井戸作品も、ドラマヒットのおかげで
全般的に作品の売れ行き好調の
火付け役となったドラマ「半沢直樹」

原作だとテレビドラマとは違った
テイストを楽しめるはずですよ。

≫半沢直樹1 オレたちバブル入行組 audible 朗読者：吉田健太郎

≫半沢直樹2 オレたち花のバブル組 audible 朗読者：吉田健太郎

日曜劇場『半沢直樹』（2020年版）

前作の意外なラストから1年後くらいの
時間軸となるドラマ『半沢直樹』

主演者は前作から引き継いでいたため
感情移入したまま観賞できたはず。
個性のかたまりばっかりでしたものね。

吉沢亮と今田美桜主演の
『半沢直樹 スピンオフ企画
～狙われた半沢直樹のパスワード～』は
この2020年版の少しまえの話。

ドラマオリジナル作品のため
池井戸潤の原作はありません。

原作のオーディオブックで
半沢直樹の追体験なさってください。

≫半沢直樹3 ロスジェネの逆襲 audible 朗読者：吉田健太郎

≫半沢直樹4 銀翼のイカロス audible 朗読者：吉田健太郎

ルーズヴェルト・ゲーム

野球のように一致団結して
困難に立ち向かう王道のドラマ。
野球要素は多くないけど
普通に鑑賞して小気味いい内容ですよ。

ドラマの原作のオーディオブックで
当時の興奮を再体験してみましょう。

≫audible
 朗読者：石丸幹二

空飛ぶタイヤ（テレビドラマ）

WOWOWの「連続ドラマW」で
放送されています。
車のCMの多い民放で取り扱えないテーマを
有料放送だから作れた作品です。

≫上 audible 朗読者：高川裕也

≫下 audible 朗読者：高川裕也

空飛ぶタイヤ（映画）

テレビドラマよりも出演者が多い映画版。
ドラマと違い、2時間の時間制限のなかで
原作の特徴を損なうことなく、
スマートに仕上げた秀作と評価できます。

≫上 audible 朗読者：高川裕也

≫下 audible 朗読者：高川裕也

花咲舞が黙ってない（第1シーズン）

明るい半沢直樹といった評価のある
痛快オフィスコメディーストーリー
「花咲舞」シリーズの始まり始まり。

ドラマ脚本の下地である「銀行総務特命」は
花咲舞は登場しません。銀行総務特命自体も
暗い内容のため、杏主演のイメージで
鑑賞するとギャップに驚くことでしょう。

≫不祥事 audible 朗読者：大森ゆき, 佐藤恵

≫銀行総務特命 audible 朗読者：多田啓太

花咲舞が黙ってない（第2シーズン）

明るいけどヤルときはヤルOL、
花咲舞の第2シーズン。

著書「花咲舞が黙ってない」は
ドラマの後に執筆刊行されているので
脚本の下地になっているのは
第1シーズン同様「不祥事」です。

≫不祥事 audible 朗読者：大森ゆき, 佐藤恵

下町ロケット
（WOWOW版テレビドラマ）

WOWOWの「連続ドラマW」で放送された
バージョンの主演は三上博史。
5話までの放送内容となっています。

≫下町ロケット audible
 朗読者：平川正三

下町ロケット
（地上波テレビドラマ 2015年）

TBS系「日曜劇場」枠で放送されたのが
阿部寛主演のバージョン。

WOWOW版より充実している理由は
「下町ロケット2 ガウディ計画」も
含んでいるため。

第1話から5話までが「ロケット編」
第6話から10話までが「ガウディ編」の
内容となっています。

一部登場人物や設定が違うものの、
ほぼ原作を踏襲しています。

≫下町ロケット audible
 朗読者：平川正三

≫下町ロケット2 ガウディ計画 audible

下町ロケット
（地上波テレビドラマ 2018年）

前作が好評だったため、続編が制作された
2018年。小説2作品を下地になっています。

第1話から5話までが「ゴースト編」
第6話から11話までが「ヤタガラス編」の
内容となっています。

≫下町ロケット ゴースト audible
 朗読者：谷田歩

≫下町ロケット ヤタガラス audible
 朗読者：谷田歩

下町ロケット（ラジオドラマ）

知られていないかもしれませんけど、
下町ロケットってオーディオブック化
とは別に、ラジオドラマとして
朗読劇で放送されていたんですよ。

現在の扱いはAmazonにはなく、
別のプラットフォームの
audiobook.jpだけになっています。

こちらは3部作品として放送され、
主役の佃航平を演じていた黒木啓司は
2部まで。3部は岸谷五朗が演じています。

朗読は一人でやっているのが基本です。
けれど、いまいち音だけで感情移入できるか
疑問でいまだに躊躇しているのなら、
ラジオドラマ版を試すのは良い判断ですよ。

だって表記した出演者はまだ一部ですから。
多数の演者が入れ代わり立ち代わりするため
誰が登場しているか分かりますもの。

オーディオブックとは違った
楽しみ方ができますよ。

≫ラジオ劇場 下町ロケット audiobook.jp
 朗読者：多数

≫ラジオ劇場 下町ロケット ガウディ計画編 audiobook.jp
 朗読者：多数

≫ラジオ劇場 下町ロケット ゴースト編 audiobook.jp
 朗読者：多数

七つの会議

全ての全日本人に問う。
『働く事』の正義とは？
拝金主義に一石を投じた、
重いテーマの映像化作品。

NHK総合の「土曜ドラマ」枠と
映画化された経緯があります。

同じ役での二番目の黒字は
映画出演された役者名です。

≫audible
 朗読者：平川正三

アキラとあきら

WOWOWの「連続ドラマW」枠で
テレビドラマ化され、
その後映画化された作品。

同じ役での二番目の黒字は
映画出演された役者名です。

「アキラとあきら」のオーディオブックの
紹介でも書いた通り、朗読には
注意して取り組むべき作品。
小説か、映像として鑑賞するのが
良い作品と判断しています。

≫audible
 朗読者：平川正三

陸王

駅伝に賭ける足袋企業とランナーたち。
勝利を目指してタスキをつなぐ感動の物語。
ドラマ以上に物語の展開が
スピーディーな原作ですよ。

≫audible
 朗読者：高川裕也

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